Q卜部

ポケモンカード旧裏 研究と備忘録

エネルギーカードをあじわう

エネルギーカード。
単体ではそこまで注目されないカードですが、焦点を当てて探求してみます。


~お題目~
1.エネルギーカードって何?
2.エネルギーカード採用枚数について
3.基本エネルギーカード混色デッキについて
4.特殊エネルギーカードの取り扱い
5.エネルギーカードの役割を意識したデッキ
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 2020/05/20
・新規作成

エネルギーカードをあじわう⑤

5.エネルギーカードの役割を意識したデッキ

エネルギーカードの役割をワザ/逃げるコスト以外にも複数持たせることで、
エネルギーカードを有効に使うデッキを紹介します。

5-1 基本エネルギーカードが与える影響

エネルギーカードをターン毎に着実にアタッカーにつけることが大事なゲームですが、
そこを意識するとデッキ内でのエネルギーカードの比率が大きくなります。
特殊エネルギーカードはそれ自体が効果を持つカードであるため、基本エネルギーカードにスポットを当て、
ワザを使う、「にげる」以外からも基本エネルギーカード1枚の価値を高めることを目的に、
基本エネルギーカードの比率がデッキ内で大きくなるときの影響を確認してみます。

    メリット デメリット
山札      
  「おたけび」 -
    熱血!  
       
  全色 「みずかき」 ポケモン、トレーナーカードの割合減少
    スロットゲーム  
       
自分の場      
  「ほのおでかいふく」 -
       
  「ファイナルビーム」 [相手の]「ろうでん」
      [相手の]「ドライアップ」
       
  「いなびかり」 -
       
  「ガスのからだ」 [相手の]「サイコクラッシュ」
       
  全色 いいきずぐすり [相手の]エネルギー(カード)参照系のワザ
    超エネルギーリムーブ  
       
手札      
  カツラ -
       
  全色 手札コスト要求効果 -
       
トラッシュ      
  全色   エネルギーカード回収効果全般

 

汎用性が高い基本エネルギーカードの活用方法としては、手札でダブつくエネルギーカードをスパイ作戦のコストでトラッシュに落とし山を掘り、
エネルギーカード回収系のワザでアタッカーを加速させるという組み合わせが挙げられます。
そこにプラスしてメリットの要素を加えてあげると、更に基本エネルギーカード1枚の価値を高めることができます。
これを踏まえて、過去のオフで使用されていたデッキを紹介します。

 

5-2 レシピと特徴

杉並2018前期オフで使用されていた、基本エネルギーカードに対し複数の役割を持たせているデッキの紹介です。

 

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【使用可能レギュレーション】
・杉並殿堂(2018年度版)(http://000708.blog.fc2.com/blog-entry-119.html)

ポケモン逆指名を別の非殿堂カードに入れ替える場合、以下使用可能
・新殿堂(http://rainbowgym.blog.fc2.com/blog-entry-79.html)
・杉並殿堂(2020年度版)(http://000708.blog.fc2.com/blog-entry-189.html)


【レシピ】

ポケモン:6枚
1 R団のサンダー ★
4 ライコウ
1 エイパム

トレーナー:42枚
4 オーキドはかせ
4 ウツギはかせ
3 マサキ
2 スパイ作戦
1 クルミ
4 礼儀作法
4 リサイクル
2 夜廃
2 まきちらせ!ベトベトガス
2 ワープポイント
1 ポケモンぎゃくしめい ★
1 超エネルギーリムーブ ★
1 いいきずぐすり
4 きのみ
4 ディフェンダー
2 プラスパワー
1 マダツボミ

エネルギーカード:12枚
12 雷エネルギーカード

 
【特徴】
R団のサンダーをトレーナーカードで守りながらライコウ(neo3)で相手の壁を追いやりながら攻めるデッキです。
エネルギーカード枚数はデッキの20%であり特別多くはないですが、エネルギーカードに対して以下の役割があります。

・ワザの使用
└対戦ポケモンへの攻撃
└R団のサンダーへの加速
・にげるコスト
・「いなびかり」の使用
・スパイ作戦のコスト
・いいきずぐすり/超エネルギーリムーブの使用

普段ワザを使うための役割であるエネルギーカードが複数の役割を持つことで、
展開の事故が発生しても手元のエネルギーカードで活路を拓ける選択肢を持つことが出来ます。

以上、基本エネルギーカードの役割を意識したデッキ紹介でした。

 




エネルギーカードをあじわう④

4.特殊エネルギーカードの取り扱い

カード自体に独自の効果を持つ特殊エネルギーカード。
特殊エネルギーカードを使うにあたり、注意すべき事柄や利用例を確認します。

 

4-1 デッキに入れられる枚数

ラクルエネルギー(*)を除き、4枚までとなります。
* ミラクルエネルギーは1枚

 


4-2 特殊エネルギーカードの移動

特殊エネルギーカードはサーチもトラッシュからの回収も基本エネルギーカードと比べるとできる手段が少ないです。
各場所から場所へ特殊エネルギーカードを任意に移動させる手段にはどのようなものがあるか、確認します。

  [移動先]      
  山札 手札 自分の場 トラッシュ(*)
山札 「みらいよち」 「フラッシュサーチ」 - カスミのいかり
  (新)ポケモン図鑑 パソコン通信    
  フラッシュ カスミのいかり    
    ロケット団の実験    

 * 「おたけび」、「おおあばれ」、「やまくずし」など、強制的にトラッシュされる効果は除外

  [移動先]      
  山札 手札 自分の場 トラッシュ
自分の場 「はんこう」 「スターブーメラン」 エナジートランス」(*1)

エネルギーカード
コスト要求効果

  「ずらかる」 「ようせいのきせき」 エナジーボム」  
  「つれさる」 「ぱっときえる」 エナジーチャージ」(*1)  
  「くもがくれガス」 エネループ」(*1) 「デンキとばし」(*1)  
  「ひのとり」 「UNDO」 「ようぶんきゅうしゅう」(*1)  
  「でんれい」 「バブルジャンプ」 「バトンタッチ」  
  「はしりさる」 スーパーポケモン回収 「でんじりょく」(*3)  
  「ときわたり」   「バブルジャンプ」  
  「やまにかえす」      
  セキチクシティジム(*2)      

*1 張られているエネルギーカードが、すべてのタイプを持つエネルギーである場合
 例)場にあるレインボーエネルギーをフシギバナ(第一弾)で付け替える
 例)ナツメのケーシィ(ジム拡張2)に変身しているメタモンに悪エネルギーカードをつけて「エネループ」し、悪エネルギーカードを手札に戻す
*2 キョウのポケモンのみ
*3 コイル、レアコイル、わるいレアコイルのみ

  [移動先]      
  山札 手札 自分の場 トラッシュ
手札 (*) 「てじな」 - 手張り 手札コスト要求効果
  「ラッキーたまご」      
  「トランスポート」      
  メンテナンス      
  エリカのお付き      
  クルミ      
  エネルギー増幅装置      

* 「ピピピ」やナツメの眼など手札を入れ替える手段およびとりかえっこプリーズ!は除外

  [移動先]      
  山札(*) 手札 自分の場 トラッシュ
トラッシュ 「もちさる」 エナジーへんかん」 「エネルギーきゅうしゅう」 -
  リサイクル エナジーさいせい」    
  エネルギーチャージ      

* トラッシュ交換はトラッシュと山札を入れ替える手段であり除外


蛇足ですが、相手の特殊エネルギーカードを移動させる手段は多少あります(*)が割愛します。
* 「エナジーサイクル」(バトル場⇒場)、怪電波マシーン(バトル場⇒手札)、「わるいいたずら」(トラッシュ⇒山札)


 

4-3 特殊エネルギーを参照するワザと特殊能力

特殊エネルギーカードに対して影響するワザや特殊能力を持つ対象3種を挙げます。
特殊エネルギーカードが使われやすい環境で価値が上がるカードです。

ムチュール(neo3)「サイコキッス」
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【ワザ】

コインを投げて「おもて」なら、相手の場のポケモンについている「特殊エネルギーカード」を1枚選び、相手の山札にもどす。その後、その山札をよく切る。
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各殿堂において、殿堂ポイントを使わないベイビィとしてワザ抜きに役割のあるカードです。
取り上げたワザは、サーチしづらい特殊エネルギーカードを戻せるため、序盤での利用やハンデスとの相性がよいです。
また、エネエネによりエネルギーカードとなった対象を戻せると強いです。
コインが絡みますが、戻したい対象をベンチに引かして鈍重なポケモンを引き出せば比較的安心してワザが打てます。
その間に自身の場を整えることができます。
受ける側としては、エネエネのエネルギーカードが場にあるときは、相手より速攻が決まっている状況である場合が多いので、
まずは相手のメインを落としつつ、該当エネルギーカードを戻された場合のケア(基本エネ手張り)をしておくとよいと考えます。


・やさしいゴルダック(neo4)「コアブラスト」
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【ワザ】
超無無 30+
相手についている「特殊エネルギーカード」の枚数×20のダメージを追加する。
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相手のエネルギーカード参照系のワザより条件がきついため、与えるダメージの量が20になっています。
複数枚特殊エネルギーカードをつける前提でのアタッカーや、
HPが80であることと弱点も相まってエネエネ鋼ウインディには強く出られます。
超デッキに辛い相手であるヤミカラス(neo1)の解決策にもなれます。
また、色拘束が薄いので、「ばける」での奇襲も面白いかもしれません。
無色2個エネルギーカードとも相性はいいですが、超デッキに無色2個エネルギーカードが入りづらいため、要研究です。
受ける側としては、アタッカーの残HPを気にしながら必要な特殊エネルギーカードをつけるタイミングを計る必要があります。


・やさしいカイリュー(neo4)「きせきのかぜ」
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【特殊能力】
この力は、このカードがバトル場にいるかぎり、はたらく。おたがいの場の「特殊エネルギーカード」は、「無色」エネルギー1個ぶんの「エネルギーカード」になり、
持っている効果は、すべて消える。このカードが「ねむり・マヒ・こんらん」状態のとき、この力は、はたらかない。
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ベトベトンのいない特殊エネルギーカードを必要とするデッキを機能不全にさせる強力な特殊能力です。
例えば悪、鋼を要求するワザを持つポケモンをメインアタッカーとするデッキ、鋼ラッキーやひかるライチュウに対して優位に立てます。
この能力をアクティブに使うのであれば、悪エネルギーカードをつけたフォレトスが「こうそくスピン」を行い、
やさしいカイリューに入れ替わることで、悪エネルギーカードのデメリットを帳消しにする方法が挙げられます。
連続して攻撃できるよう、カイリュー(化石)とリサイクルエネルギーおよびドードリオ(J)を入れるなどの準備をしておきましょう。
受ける側としては、やさしいカイリューをベンチに引かせてサイドを取り切るか、ベトベトガスを使いまわして倒し切るか、
ミニリュウのうちに対処するか、特殊エネルギーカードに依存しないアタッカーを用意するかが必要と考えます。

 

特殊エネルギーカードを用いた強力なデッキへの対策は、
エネルギーリムーブが汎用性が高く採用されがちですが、
本項で紹介したような地味目のポケモンが活躍する場面も見られたら面白いと個人的に思います。

 

 

4-4 特殊エネルギーカードの活用について

特殊エネルギーカードを活用できるポケモンの一例を取り上げます。

メタモン(化石、拡張赤)【無色2個エネルギー/リサイクルエネルギー】
変身しエネルギーカードがすべての色(タイプ)を持つ状態とすることで、
有効に使える特殊エネルギーカードがあります。
一つ目は、無色2個エネルギー。
これ一枚ですべての色を持つ2つのエネルギーとなるため、
場にでてすぐ有色2エネワザの強襲が行えます。
無色2個エネルギーを2枚で、有色4エネワザも使えます。
二つ目は、リサイクルエネルギー。
有色ワザコストを満たしつつ、リサイクルエネルギーをトラッシュ対象にできます。
例えば、ヘルガー(neo3)「ダークフレイム」、ヤドン(化石)「ゴミあさり」などを
リサイクルエネルギーで対応できます。


・ひかるライチュウマルマイン(第一弾)/レインボーエネルギー】
エネエネ=水、レインボーエネルギー*2とすることで驚異的な確定ベンチダメージを出せます。
ベンチ育成をさせない状況となるため、速攻で完成するとリカバリを許さず押し切ることができます。


・わるいハッサム【悪/鋼エネルギーカード】
旧裏カードプールの中で唯一、悪/鋼エネルギーカードのデメリットを受けずに使用できます。
要塞化かつ打点アップしたわるいハッサムは脅威です。


・やさしいマリルリ【きずぐすり/なんでもなおし配合エネルギー】
スリープ(ロケット団)「えんかくさいみん」と組み合わせると、
やさしいマリルリの生存率をあげる⇒ワザ試行回数増やせる⇒なんでもなおし配合エネルギーを使いまわせるということができます。
きずぐすり配合エネルギーは確定数をずらしてワザの試行回数を稼ぐ役割を持ちます。

カスミのヒトデマンと違いHPが80ありますので、
きぜつしてエネルギーカードをロスする場面は少ないです。
またワザの色拘束が薄いこともマッチしております。

 

以上書き連ねてきた通り、個性的な特殊エネルギーカードたちは扱いが難しい一面はありますが、
エネルギーカードという立ち位置からゲームをとても楽しくする要素を持っております。
なのでこれを機に特殊エネルギーカード(ミラクルエネルギーとか)の研究はいかがでしょうか。
奇抜で強力な戦術が発見されれば、これほどうれしいことはありません。

エネルギーカードをあじわう③

3.基本エネルギーカード混色デッキについて

過去推奨デッキでは、基本エネルギーカードが2種以上のデッキがよくみられますが、
ワザコストと手札のエネルギーカードが噛み合わない場面が発生するため、まともに回るデッキを組み立てるにはかなり構築力を要求されます。
紹介されている混色デッキにはどのようなものがあるか、色数ごとに事例を出し、基本エネルギーカード混色を作るうえでの観点を確認します。

 

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3-1 【2色:わるクロバリヤード

http://blog.livedoor.jp/aqwsderft/archives/53384614.html
わるゴル、わるクロでダメカンを乗せ、「ヨガのポーズ」で高火力を出すデッキです。
上記リンクのレシピよりエネルギーカードの配分は、11枚(草7、超4)です。
超が少な目ですが、
中盤以降でバリヤード(J)にて仕留めるためかつコストが”超無”であるところもこのエネ配分で回せるものと考えられます。

アタッカーのメインワザが低コスト無色込みであれば、基本エネ2色デッキも色々組み合わせがありそうです。
黎明期からある、エビワラー+エレブーはそれにあたるでしょうか。


3-2 【3色:ルギア】

https://ameblo.jp/s-o-resistance/page-2.html
1エネ20点たねで弱点を突きつつ攻め、ベトンで相手のエネ加速を封じ、ルギア(neo1)による一撃を決めるデッキです。
上記リンクのレシピよりエネルギーカードの配分は、12枚(炎4、水2、雷2、虹4)です。
炎がやや多めなのは、ブーバー(シート緑)「ファイヤーバーン」の火力が理由となるようです。

ルギアをアタッカーとするためエネルギースタジアム回収できるよう基本エネルギーカードが3種入ってくるデッキとなります。
ルギア以外で3色のデッキを組むならば、「ばける」経由進化ポケモンの低コストワザで弱点を突くものか、
「ゆびをふる」でトラッシュワザや追加ダメ効果のあるワザを利用する場合が考えられます。
いずれにしろ組む際は基本エネルギーカードを3種入れる理由があることが大事です。


3-3 【6色:ホウオウ】

http://000708.blog.fc2.com/blog-entry-162.html
3色から一気に飛んで6色、すなわち基本エネルギーカード全色を入れるホウオウ(pf)デッキです。
全色エネルギーカードが張られた際の「レインボーバーン」は30+60=90のダメージを出すことが可能です。
上記リンクのレシピよりエネルギーカードの配分は、14枚(草2、炎3、水3、雷4、超1、闘1)です。
グドラ(neo3)対策のルギア(neo1)、カメ対策のエレブー(第一弾)により炎/水/雷がやや多め、草はベトベターによる毒撒きのため2枚、
超/闘はレインボーバーン用エネルギーカードとして1枚という配分がなされています。

メインがホウオウ(pf)であるためレインボーエネルギーもない完全基本エネルギーカード全色入りのデッキとなります。
流石に基本6色を入れるデッキはホウオウ(pf)以外では思いつきませんが、
ホウオウのサブアタッカー枠によりエネルギーカード配分を変えていくカスタマイズは楽しめそうです。


基本エネルギーカードの混色デッキは研究の余地が大いにあると思いますので、
旧裏集合知による革命的なデッキが生まれてくることを楽しみにしております。

エネルギーカードをあじわう②

2.エネルギーカード採用枚数について

デッキ構築するうえで必要なエネルギーカードは何枚採用されているか、
メインアタッカーのワザコスト別に、エネルギーカードおよびドロソとエネに関連するカードがどの程度入れられているか代表的なデッキを取り上げてレシピ確認できたものを並べてみます。
確認対象の条件として、エネは手札から出して張ることのみ、エネルギーカードの枚数に大きく影響する「おいしげる」を抜かしたデッキを取り上げます。

 

  デッキ エネ枚数 ドロソ枚数 夜廃 備考
1エネ          
  わるラフポルタ― 8 18 1  
    10 16 1  
    11 16 1 悪エネ*4
  グドラベトン 7 15 4  
    9 15 4 リサイクルエネ*1
           
2エネ          
  ナツメスピリッツ 9 15 2 学習装置*1、エネスタ*1
  ストライクバット 9 14 3 学習装置*3
    10 17 3  
  なかまのちから 9 16 3 学習装置*1
    11 15 3 学習装置*1
  わるマタ 10 17 3 学習装置*1
    11 16 3  
           
3エネ          
  ニドキングベトン 10 16 3 学習装置*1
  ドンベトン 12 14 2 学習装置*1
    13 14 3  
  わるゲン 14 13 3  
           
4エネ          
  ホウオウベトン 13 14 3 学習装置*1、エネスタ*1
    14 13 2 学習装置*2、エネスタ*2
  カメ 13 17 2 超エネルギー回収*2
    13 14 1 超エネルギー回収*1、エネスタ*2

 

上記今回集計した対象からは、単純にアタッカーのワザコストが上がるほど、エネルギーカードの枚数が増えており、
用意するアタッカーの数×ワザコスト=エネルギーカード枚数の考え方がベースにあると見て取れます。

エネ枚数とドロソ枚数は、2エネ以下のデッキはドロソが15枚を下回ることがないように見えますが、
進化ラインや団体ワザ対象ポケモンを揃える目的が大筋であるものと考えられます。
3エネ以上だと、場持ちのいい壁を入れていることが多く、ややドロソは少な目の傾向があります。
また3エネ以上はベトンを入れて特殊能力による加速を封じ、同速にさせるデッキが見られます。

学習装置について触れます。
手張りでのみエネを張るのみの動きでは後続育成が難しく、カメと1エネ枠以外はほぼ学習装置が採用されています。
これはエネルギーカード枚数に関係することではなく、相手のエネルギーカードを除去する手段がない場合は手張りのみでは押し負けることが理由になります。
加速機能のない1エネアタッカー以外のデッキでは戦線維持が難しいことが顕れてます。


追加で、初手にエネルギーカードが張れる確率についても触れてみます。
「ずつう」や「こわがらせる」、プラスパワー込みのワンキル、進化想定込みでのダメージ調整など、初手ワザを使うことは重要です。
ドロソが来なかったときでも、最低1枚エネルギーカードが手札に来ることを目的に、
具体的な枚数と確率を確認します。

エネ枚数 最低1枚手札に来る確率(%)
4 35
5 42
6 48
7 54
8 59
9 64
10 68
11 72
12 75
13 78
14 81
15 83

 

14枚入れてドロポン命中率程度というと不安ではありますが、
よく見られるエネとドロソの比率(エネ10枚、ドロソ16枚で計算)で、エネとドロソ事故併せて起こる確率は3%程度です。
確実に初手ワザを打ちたい場合は自分が信じられる確率を計算して構築に臨みましょう。

 

エネルギーカードをあじわう①

1.エネルギーカードって何?
1-1 エネルギーカードとは

ポケモンがワザを使ったり、「にげる」ために必要なカードであり、場にでているポケモンにつけて使う
・「基本エネルギーカード」と「特殊エネルギーカード」に分類できる
・基本エネルギーカードには「草」「炎」「水」「雷」「超」「闘」の6種類がある
・基本エネルギーカードはデッキに何枚でも入れることができる
・基本エネルギーカード以外のエネルギーカードはすべて特殊エネルギーカードとなる
・「エネルギーカード」を対象とする効果(*)は、「基本エネルギーカード」と「特殊エネルギーカード」のどちらも対象として選ぶことができる
* エネルギーチャージ、ゴース(化石)「エナジーへんかん」、ミュウツー(プロモ)「エネルギーきゅうしゅう」、ネイティオ(neo2)「エナジーサイクル」など

 

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基本エネルギーカードの初出は1996年の第一弾スターターパックです。
第一弾スターターパックには各色5枚基本エネルギーカードが封入されてます。
当時のおすすめの配分(ポケモン:25、エネルギー:25、トレーナー:10あたり)を踏襲する場合、スターターを4-5個買う必要があり、
その時代の小遣いの少ない小学生かつトレードができない環境の人であればエネルギーカード収集は険しい道でした。

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あの頃の配分

 

特殊エネルギーカードの初出は基本エネルギーカードと同様の第一弾で無色2個エネルギー(細かく言えばマルマインも)がでております。
その後はロケット団でレインボーエネルギー、きずぐすり配合エネルギー、なんでもなおし配合エネルギーが、
neo1で悪エネルギー、鋼エネルギー、リサイクルエネルギーが、neo4でミラクルエネルギーがでました。

 

エネルギーカードに関する基本的なルールにおいて、自分の番にエネルギーカードを自分の場のポケモンに1枚つけられるということがあります。
ワザコストとダメージにはエネルギー必要数が増えるほど相手に与えられるダメージが増える関係があるので、特にエネ加速がないデッキであれば、
毎ターンアタッカーとなるポケモンに1枚ずつエネルギーカードをつけることが重要なゲームであると考えられます。
しかし過去のおすすめ配分のようにエネルギーカードの枚数を多くすると後続育成ができなかったり、かといって少なくしすぎるとワザが使えないターンを作る恐れがあります。
デッキ構築するうえでエネルギーカードは、デッキコンセプトに必要なポケモン/トレーナーカードとにらめっこしながら何を何枚入れるか悩ませる対象であり奥深いカードです。

 

 

1-2 エネルギーカードとエネルギーとの違い

「エネルギーカード」と「エネルギー」の違いについて事例を挙げて記載します。

 

無色2個エネルギーは1枚の「エネルギーカード」ですが、2個の「エネルギー」を持ちます。
リザードン(第一弾)に無色2個エネルギーが2枚付いており「エナジーバーン」がはたらいている状態です。
特殊能力「エナジーバーン」の処理は「エネルギー」を対象とし、計4個の無色エネルギーを4個の炎エネルギーに変えることになります。
ワザ「ほのおのうず」の処理は「エネルギーカード」を対象とし、無色2個エネルギー2枚をトラッシュすることになります。

ワザを受ける側から別の事例を出すと、無色2個エネルギーが2枚付いている状態で、
わるいナッシー「わるわるMAX」を受けた場合は、「エネルギー」が参照されるため相手の投げるコインは4枚となります。(自分の場にあるエネルギーカードが無色2個エネルギー*2のみを想定)
ミュウ(化石)「サイコウェーブ」を受けた場合は、「エネルギーカード」が参照されるため受けるダメージは20となります。

このように1枚のエネルギーカードで複数のエネルギーを持つ対象(*)は、本項の違いについて注意が必要です。
* 無色2個エネルギー、ミラクルエネルギー、エネエネ経由のエネルギーカード、「おいしげる」がはたらいている場の草ポケモンについている草エネルギーカード


ちなみに色(タイプ)に対しての「エネルギーカード」と「エネルギー」の違いはありません。

例えば、ヘルガー(neo3)「くろいキバ」は「悪エネルギー」を参照するテキストであり、
わるいヘルガー「じごくのほのお」は「悪エネルギーカード」を参照するテキストとなっておりますが、
エナジーコンバーター」で基本エネルギーカードを悪にしたエネルギーカードで、
上記どちらのワザの効果を満たすことができます。

下記トレーナーズ内の情報から、「基本草エネルギーカード」を「エナジーコンバーター」で「炎エネルギー」にした状況で、
「炎エネルギーカード」トラッシュするワザ要求を満たせる記述があることが理由となります。

※提供いただいた情報
https://twitter.com/romussen1/status/1260455264953815042?s=09

 


1-3 すべてのタイプを持つエネルギーについて

すべての色(タイプ)を持つエネルギーカードがあります。
すべての色(タイプ)を持つエネルギーカードとは、場のポケモンについているとき「草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼」の、
どの「色(タイプ)」のエネルギーとしても、あつかわれるものとなります。


例えば、コダック(化石)にレインボーエネルギーが1枚付いていれば、
「ずつう」も「みだれひっかき」も使うことが出来ます。
また、ファイヤー(シート赤)「ドライアップ」やスターミー(neo3)「コアストリーム」など、
エネルギーの「色(タイプ)」を参照する効果のワザについては、どの色の参照でも効果の対象となります。

具体的にすべての色(タイプ)を持つカードは、
「レインボーエネルギー」、「ミラクルエネルギー」、
そして「へんしん」状態となったメタモン(化石、シート赤)についたエネルギーカードとなります。
誤認識しやすい効果として、マルマイン(第一弾)「エネエネ」やポリゴン2「エナジーコンバーター」は、
エネルギーの色を任意に指定する効果であるため、本項の対象ではありません。


補足として、レインボーエネルギーについてのテキストについて触れます。
カードテキスト原文とneo以降でテキストに差異があります。

【原文】
どの色の基本エネルギーカードとして使ってもよい。

 

【neo以降の説明】
場にあるかぎり、「草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼」の中の、どの「色(タイプ)」のエネルギーとしても、あつかわれる。

 

下記トレーナーズの情報から、neo以前は好きな色を自分の番ごとに指定できるという効果(*)でしたが、
neo以降はどの「色(タイプ)」としてもあつかわれる変更があったことが分かります。
* この説明の場合、例えばひかるライチュウ「サンダースコール」に対し、レインボーエネルギー1枚で雷コストを満たしつつワザの効果を得るということができない

※提供いただいた情報
https://twitter.com/nanimonoka/status/1260389003896819712

 

 

本章ではエネルギーカードの裁定部分をメインに記載しました。
もし記載内容に誤りがある場合はご指摘いただければ幸いです。

【カード評価】1エネ20点持ちたねポケモン

ふと弱点ありHP40たねポケモンの危険度を知りたくなった延長で興が乗り、
相対的カード評価なんてやってみました。
ポケモンカードの持つ各要素から指標値を出し、殿堂指定のカードは平均を上回るのか、
埋もれている性能の高いポケモンはいるかなどの探求です。
今回は1エネ20点ワザ持ちポケモンに絞って評価してみます。


1.はじめに

1エネで20点を出せるたねポケモン
ワンキルからメインのお伴や弱点補完など、軽量に20点出せる対象は貴重です。
1エネ20点持ちたねポケモンを包括的に評価してみた工程とその結果を書いてみます。
#算数の時点で苦手な人が普段やらないようなことをふわっとやっているので突っ込みお待ちしております。

 


2.評価基準

 2-1.評価のための指標値設定

 以下項目から1エネ20点たねポケモンの評価を行うための指標値を設定してみます。

  a. ワザコスト無色(+10)
  エネの色を問わずワザを使用できるためプラス要素となります。
  ビリリダマ(第一弾)の「たいあたり」が無色1エネ10点、
  HP、逃げるコスト、弱点、進化先が同様のビリリダマ(R)の「スピードボール」が有色1エネ20点という相関性から、
  1エネ20点ワザを無色で使用できる対象は+10します。
  なお悪エネルギーを使用して打点を上げる利点については、
  ポケモンチェックでのダメージをマイナス要素とみて、ポイント加算はしない方針とします。

 

  b. ワザの効果[プラス](+10)
  プラスの要素となります。
  ズバット(化石)の「きゅうけつ」が草無エネ10点の与えたダメージ分ダメカン除去、
  HP、逃げるコスト、弱点、進化先が同様のズバット(R)の「かみつく」が草無エネ20点という相関性から、
  プラスの効果をもつ1エネ20点ワザを使用できる対象は+10します。

 

  c. ワザの効果[マイナス](-10)
  マイナスの要素となります。
  キャタピー(シート青)の「たいあたり」が無1エネ10点、
  HP、逃げるコスト、弱点、進化先が同様のキャタピー(neo2)の「ころころタックル」が無1エネ20点の反動10点という相関性から、
  マイナスの効果をもつ1エネ20点ワザを使用できる対象は-10します。

 

  d. HP(HP分加算)
  ワンキル評価目的で始めましたが、ワンキルできなかった後も考慮(サイドを回収されることや場の損失という視点)してみます。
  対象のHPの値を加算します。

 

  e.タイプが無色以外
  タイプにより弱点をつけることをプラス要素とします。
  オニスズメ(イントロ)とワンリキー(neo4)、マリル(イントロneo)の差異は、
  オニスズメはタイプ無色で逃げるコストがなし、他はタイプ無色以外で逃げるコストが1という相関性から、
  無色以外の対象は+10します。

 

  f. 特殊能力あり(+10)
  プラス要素となります。
  カスミのギャラドスの「はんこう」のようなマイナス要素をもつ特殊能力が対象にないため、
  特殊能力を持つ対象は+10します。

 

  g. 進化可(+10)
  進化によるメリットをプラス要素とします。
  進化できる対象は+10します。

 

  h. 逃げるコスト(-10*逃げるコスト数)
  マイナス要素となります。
  ケーシィ(第一弾)と(R)、ポニータ(シート緑)と(R)、マチスコラッタ(マチス)と(ジム拡張1)など、
  HP10増加に対して逃げるコストが1増える相関性から、
  逃げるコスト1ごとに-10します。

 

  i. 弱点なし(+10)
  プラス要素となります。
  ミニリュウ(第一弾)とニャース(イントロ)の差異は、
  ニャースはHPが10多い、弱点があるという相関性から(ニャースの2エネワザのほうは無視)、
  弱点のない対象は+10します。

 

  j. 抵抗力あり(+10)
  プラス要素となります。
  カラカラ(J)とイワーク(neo1)の差異は、
  イワークはHPが20多い、逃げるコストが1多い、抵抗力がないという相関性から(無1エネワザの効果は無視)、
  抵抗力のある対象は+10します。

  以上a~jの項目で設定したポイントの和を1エネ20点を出すポケモンの指標値としてみます。


 2-2.評価係数の設定

 2-1の指標値から評価を行うための係数を設定してみます。
 ワンキルされる対象確認を目的に始めたため、たねポケモン全体から弱点をつけるHP40以下のたねポケモンの割合(※)を使って評価をします。

 ※ポケモンのデッキ採用率を無視して、ただ弱点ごとのポケモンの数をかけているので、単純に値が高ければワンキル取りやすくなるというわけではありません。
  超弱点ポケモンをみるとアンノーン*26入ってたり、あとそもそも指標値にワザデメリットや自身のHPを加味していたり、トレーナーカードの影響は除外してますし。

 

 加えて対象タイプの抵抗力もちたねポケモンの割合も考慮に入れます。

 


3.評価

ワンキルを意識した1エネ20点ワザ持ちたねポケモンの評価を行います。

 

 

    ワザコスト無色 ワザの効果[プラス] ワザの効果[マイナス] タイプ無色以外 HP 特殊能力あり 進化可 逃げるコスト 弱点なし 抵抗力あり 指標値(x) 弱点をつけるHP40以下たね数(a) 抵抗力たねポケモン数(b) ワンキル意識したカード性能=
x*(1+(a/全たねポケモン数))*
(1-(b/全たねポケモン数))
                             
  エリカのマダツボミ(ジム拡張1) 10 0 -10 10 50 0 10 -10 0 0 60 20 5 61.68
  キャタピー(neo2) 10 0 -10 10 50 0 10 -10 0 0 60 20 5 61.68
  ハネッコ(neo2) 0 0 0 10 30 0 10 0 0 10 60 20 5 61.68
                             
  ヒトカゲ(R) 0 0 0 10 40 10 10 -10 0 0 60 33 0 63.75
  ポニータ(シート緑) 0 0 -10 10 40 0 10 0 0 0 50 33 0 53.13
  ブーバー(シート緑) 0 10 -10 10 60 0 0 -20 0 0 50 33 0 53.13
  ブーバー(イントロ) 0 0 0 10 50 0 0 -10 0 0 50 33 0 53.13
  タケシのロコン(タケシ) 0 0 0 10 40 0 10 -10 0 0 50 33 0 53.13
  カツラのヒトカゲ(カツラ) 0 0 -10 10 50 0 10 -10 0 0 50 33 0 53.13
  ヒノアラシ(neo1) 0 0 -10 10 50 0 10 -10 0 0 50 33 0 53.13
                             
  ヒトデマン(第一弾) 0 0 0 10 40 0 10 -10 0 0 50 9 0 50.85
  カスミのニョロモ(ジム拡張1) 0 0 -10 10 50 0 10 -10 0 0 50 9 0 50.85
  カスミのヒトデマン(カスミ) 0 10 0 10 40 0 10 -10 0 0 60 9 0 61.02
                             
  ビリリダマ(R) 0 0 0 10 40 0 10 -10 0 0 50 47 24 54.45
  R団のサンダー(ジム拡張2) 0 10 0 10 70 0 0 -20 10 10 90 47 24 93.56
  そらをとぶピカチュウ(ana) 0 0 -10 10 40 0 0 -10 10 10 50 47 24 51.98
                             
  ナツメのケーシィ(ジム拡張2) 0 0 -10 10 40 0 10 0 0 0 50 56 86 46.30
                             
  ワンリキー(第一弾) 0 0 0 10 50 0 10 -10 0 0 60 40 74 55.50
  エビワラー(第一弾) 0 0 0 10 70 0 0 -20 0 0 60 40 74 55.50
  エビワラー(シート赤) 0 10 0 10 50 0 0 -20 0 0 50 40 74 46.25
  イシツブテ(neo3) 0 0 0 10 40 0 10 -10 0 0 50 40 74 46.25
                             
  コラッタ(第一弾) 10 0 0 0 30 0 10 0 0 10 60 0 0 60.00
  マチスオニスズメ(マチス) 10 0 0 0 30 0 10 0 0 10 60 0 0 60.00
  イーブイ(ファンクラブ) 10 0 0 0 30 10 10 0 0 10 70 0 0 70.00

 

 


見ての通りR団サンダーがやはり頭一つ抜きんでていることが分かります。
1エネ20点持ちでは最高のHP、弱点なし抵抗力あり、ワザもメリットありと納得の結果です。
プラスパワー多投で戦略が広がりそうです。
「エレクトロバーン」も見込んで勿論ディフェンダー4積みで。
次点でイーブイ(ファンクラブ)。
逃げ0、抵抗力持ちで特殊能力が優秀というところがHPの低さを跳ねのけよい値がでています。
弱点こそつけませんが、悪エネで加点できることもワンキルという面で評価できます。

これを踏まえて殿堂について考えます。
R団サンダーの殿堂入りは評価結果の数値からも納得の結果です。
反対にエビワラー(第一弾)はR団サンダーと並ぶHPですが今一歩及ばずという数値でした。
黎明期に猛威を振るいすぎた結果当時の殿堂は強めに設定されておりましたが、
新殿堂では★1、杉並や高槻殿堂ではなしと評価されており、数値上からも見て取れます。
弱くはないのですが、逃げコスト重いのと数多い闘抵抗で止まるのがイケてないです。
イーブイ(ファンクラブ)については高槻殿堂で対象とされているところからも、
性能の高さは評価されております。
カスミのヒトデマンについては、カスミの評価を入れるとイーブイ(ファンクラブ)を超しますので、
殿堂ランク入りは理解できます。プラスパワー使いまわしの序盤の猛攻も独自の強みですし。
しかし単体で見ればヒトカゲ(R)に僅差で負ける数値であるため、
カスミに殿堂がついている杉並殿堂はしっくりきます。


最後に。


なんとなく始めた調査ですが、
ポケモンカードの持つ各要素から見たカード性能のデザインが前から気になっていたので、
1エネ20点持ちというカードに絞って指標値を出し、各殿堂に結び付けて評価結果を見られたのが面白かったです。
指標値にはトレーナーカードの要素(カスミのポケモンは特に)を加味する必要があると思いますが、まとまらなくなるので今回は一旦ここまでで終了です。

 


おしまい